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（１４／１５） |
| それから数カ月後、ガミラス本星は滅び、ヤマトはイスカンタルにて放射能除去装置コスモクリーナーＤを受け取り地球へ帰還した。 大小マゼラン雲に展開したガミラス帝国そのものはにわかに瓦解したわけではないが、本星の崩壊は各戦線や植民惑星間の連携を途絶えさせ、ガミラス帝国の統一国家としての基盤を失うのに時間はかからなかった。 従来は、地球・ガミラス戦争上での意味合いの上からしか語られてこなかったこの七色星団の決戦であるが、ガミラス帝国の崩壊を考える上でも十分に研究を重ねられる必要があろう。なぜなら、大小マゼラン雲内に無数の艦隊を展開していたはずのガミラス帝国が、ヤマト撃滅のために動員できた艦隊戦力はこの七色星団でのドメル艦隊が最後であり、この後は一直線にガミラス本星での本土決戦となってしまっているからだ。 ガミラスになおも多数の艦隊戦力が残存していたことは、白色彗星帝国との同盟行動によってテレザード星方面に展開したデスラー艦隊のことを考えても明かであるが、問題は対地球侵攻戦争当時のガミラス帝国は、その政治的・軍事的状況からこれらの艦隊を動員することができなかったということである。すなわちガミラスと敵対していた多くの交戦国家や植民地の独立運動組織が、間接的にではあるが地球とヤマトを援護していたと言える。 さて、地球に帰還したヤマト乗組員たちは、ガミラス戦後の復興のために散らばっていった。土方艦長は新たに統一された地球連邦艦隊の初代艦隊司令長官に迎えられてヤマトを降りて行った。代わって、太陽系外周第３艦隊に配属されたヤマトの艦長代理に就任したのは戦闘隊長の古代だった。ヤマトはイスカンダルへの長旅の疲れを癒す暇もなく太陽系外周警備のために旅立った。 ヤマトの航海で得られた様々なデータを元に、より強力な装備を備えた最新鋭戦艦アンドロメダが真田の設計によって建造されるのも、そう遠い未来の話ではない。ここで一つ指摘して置くなら、アンドロメダを初めとする新型戦艦に装備された波動砲が２門もしくは連装となっているのは、ドリルミサイルなどの不測の事態によって片方が使用不能になっても片方で発射可能にするためだということはあまり知られていない。もっとも、ドリルミサイルのような奇跡的な命中を期待しなければならない兵器がそうそう実戦に投入されるはずもなく、このことに気付いた後に設計された戦艦ではコスト削減のために１門に減らされている。 土方艦長がこれら新生地球艦隊を指揮して白色彗星帝国の侵攻軍と壮大な艦隊決戦を行ったのはイスカンダルからの帰還から１年３カ月ばかり後のことになるが、この戦いにふれるのはまた別の物語である。 《おわり》 |