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YAMATO Another History Series 2 『護衛戦艦アリゾナの戦い』
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第4章 「激闘」

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 北米地区惑星探査船団が地球を飛び立って、すでに5か月が過ぎようとしていた。太陽核融合の異常増進による人類滅亡のタイムリミットまで、わずか3か月しか残されていない。しかし、地球人類の移住可能な惑星は依然として見つからず、その探査計画もボラー連邦の妨害によって大幅に遅れていた。
 期待の大きかったガルマン帝国フラウスキー少佐による太陽制御計画も失敗に終わり、同じくガルマン帝国の紹介による惑星ファンタムもヤマトの調査の結果、人類の移住できる星ではなかった。
 一方、これらのガルマン帝国の協力と時を合わせたかのように、ボラー連邦の妨害は激しさを増していった。それはベムラーゼ首相が、地球をガルマン帝国の同盟国と見なしたことによるものだが、ボラーの攻撃は北米探査船団のみならず、他の地区の探査船団にも壊滅的な被害を与えていた。
 高速戦艦ノーウィックを旗艦とするロシア探査船団は2か月前に全滅。装甲戦艦ビスマルクに率いられたドイツ探査船団も先月消息を絶った。そしてイギリス船団を指揮する超弩級戦艦プリンス・オブ・ウェールズも、先日その最後が伝えられた。すでに地球では移民船団の建造に追われ、新たな探査船団を組織する余裕は無かった。第2の地球探しは残された僅かな船団の手に委ねられるしかなかったのである。

 この北米船団も、度重なる戦闘被害で多くの艦を失っていた。惑星探査の中心を担う科学調査艦は今やマイアミ1艦を残すだけ。工作艦デトロイトはすでになく、探査機材の調達も困難となっていた。輸送艦は2隻とも爆沈し、護衛空母もアーカンソーのみを残すだけ。そして駆逐艦はディープシー、グレータービースト、ダイナストの3隻。
 つまり、現在の残存勢力はアリゾナ以下、護衛空母1、駆逐艦3、調査艦1。残る調査艦1隻が失われると惑星探査の継続は不可能な状態にまで追い込まれていたのである。
 そして今、船団は地球から1200光年離れたペルセウス座アティク星系へとやってきていた。探査計画の32番目の星である。

 この日の当直勤務を終え、交代のポールとの引継ぎを終えた恭子はパイロットスーツを脱いでシャワーを浴び、艦内ユニフォームに着替えて士官食堂へやってきた。
 3人しか専属パイロットのいないアリゾナでは、三交代制の勤務と言っても、1日8時間の当直勤務の前後各4時間は予備待機が義務付けられている。当直のパイロットが出撃したり、不測の事態があった場合は予備待機中のパイロットが待機任務に就くことになるのだ。もっとも、それ以外は当直時間のように拘束されるわけではないから、熟睡したり失踪したりしない限りは行動は自由である。
 恭子の場合は、当直前の予備待機は朝5時に始まる。目覚まし時計をかけてはいるが、それでは起きられずにパトリシアに起こしてもらう。艦内ユニフォームに着替えてから机に向かって本を読もうとするが、そのまま睡魔に襲われてうとうと。7時ごろに再びパトリシアに起こされ、一緒に士官食堂で朝食。食後の腹ごなしにレクリエーションエリアのゲームセンターで新作ゲームのハイスコアを叩き込み、気分の良いところでパイロットルームに足を運び、そのまま当直勤務。
 当直後は同じフロアの女性士官用シャワールームに直行。パイロットルームの中にもシャワールームは設置されているが、男女別に設けられてるわけでもなく、着替える場所も付いてないから、恭子には怖くて使えない。そして士官食堂での夕食。その後はレクリエーションエリアで暇をつぶすか、居住区に戻って読書。パトリシアがいれば、恭子にはどこから調達してきたのか良くわからないヨーロッパの高級なお菓子とか、飲み物を分けてくれるが、共通の話題が乏しいので余り話すことは無い。
 一度、きつい任務の後で恭子が必死で睡魔と戦っている時に、隣で気持ち良さそうに寝息を立てているのに腹が立って、思わずパトリシアをどついたことがあったが、それ以来、恭子の予備待機中に寝ている様子を見ないのは、ひょっとして警戒しているのかもしれない。まあ、恭子もそういう時には居住区にいても眠くなるだけだから、ゲームセンターなりフィットネスクラブで頭よりも体を使って眠気を感じないようにしてはいるのだけど・・・・・・

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